コロナで外出禁止令が出されてから1ヵ月|私たちの生活とフランス政府
3月17日にフランスは外出禁止措置が出され、ついに1か月。長いような。短いような。この1か月、外に出るにはそれ相応の理由が必要という環境で過ごした、とても個人的な私たちの実感を報告します。
過去記事で、フランスの様子やマイナス点・ポジティブポイントなどは書いたので、そこは割愛する。
mayonakanoonara.hatenablog.com
生活をしていての実感
外出制限が始まってからこの1か月間、フランス政府の方針は一貫しており、私たちの生活には特に大きな変化はなかった。外出禁止を厳守し、健康管理をしっかりとすること。おかげで、適度な運動をしながら、スローライフを送り、風邪をひくこともなかった。
外出禁止制度下では、家から1キロ圏内を1時間まで運動のためにうろうろすることができるのだが、普段以上に様々な人がウォーキングをしている気がする。自由を活かせる場が減ると、みんなそれを活かそうとするのである。もしかしたら結果的にいろんな人が健康的な生活をしているのかもしれない。
政府による休業時の給料サポートもあり、人々は驚くほど穏やかだ。(医療関係者は忙しいが)金銭的に文句を言う人も少なく、どうにかなっている。テレワークをしていない多くの人が、「定年後の生活」みたいな感覚なのだろう。
ただ、通常通り事件も起きる。医療関係者等、仕事のために外に出るための証拠の紙が盗まれたり、DVの件数が増えたりしている。それぞれに対処すべく、DVのサポートの場に力を入れたり、医療関係者を警察が護衛するなどのことが行われている。
死者数は昨年と比べ40%増
人手不足のため、医療関係の学生も実際の現場に駆り出されている。政府は医療関係者に1500€ほどを配ることを約束している。医療崩壊を起こし始めた地域からは、高速鉄道で患者を運び出したり、ドイツに協力してもらったり、様々な手を尽くしている。
今、私たちはロレーヌ地方にいるのだが、隣のアルザスは患者数がとても多い。韓国などと同様、宗教の集会によって感染拡大が始まった。
ロレーヌからも、その集会に参加した人がいた。ここらへんで初めてのコロナ患者も、その集会から戻った人であった。その頃は、感染経路というのがチェックされていたものの、今となってはどこでもらうか全くわからない状況だ。
アルザス・ロレーヌのほとんどで、昨年に比べ死者数が上昇した。私が今いる地域で死者数は40%増になった。高齢者の死者が90%を占めるフランス。ここら辺、田舎の高齢者数はその数字に影響している。
5月11日から...
先日、マクロン大統領はテレビで、5月11日から徐々に今のシステムを解除してくことを語った。具体的には、学校の再開や高齢者以外の外出制限の終了などだ。やっと、少し希望が見えてきたという状況。お隣ドイツでは、もうそろそろ小売店などが再開し始める。
フランスの小・中・高校生はかなり暇疲れている感じがする。学校のない彼らは、昼過ぎぐらいになると街に出てきて友達と会っている姿を見かける。本当は禁止なはずだが、居場所が家以外になくなってしまった彼らに、ストレスが溜まるのは分かりきった結果であう。学校の再開が、小・中・高校生のストレス軽減につながることを願っている。
ただ、いろんな保護者や先生は心配を抱えている。学校で感染拡大する可能性だってあるのだから。
5月11日からコロナ検査数やマスク等のものが大幅に増えることも決定した。外に出る人すべてがマスクをつけられ、つけなくてはいけない環境までもっていくと話していた。マスクをするのはアジア人だけだ、みたいな考え方がここまで変化したのだから驚きだ。学校でも、消毒やマスク等が備わることを期待している。
終わりはいつくるのだろうか
先が見えない1ヵ月前から、少しだけ元の生活が戻ってきそうな予感がする宣言がなされたのだ。これから徐々に、具体的なことを発表していくとされていて、今はマクロン大統領の言葉を待つ状態だ。
また、マクロン大統領は元の生活に戻すだけではなく、このコロナ危機を機会に学び、よりよいシステムを作っていくと誓い、人々にも呼び掛けた。例えば、今まで保証が少ないといわれていた医療関係者への金銭的サポートの充実を図るとか。
よりよい社会を作るために、コロナはどう作用するのか。今はまだはっきりしていないものの、これから徐々に雲が取れてくるかもしれない。