世界のユースセンターを巡る旅人

世界を旅する日本人とフランス人の話。

フランスにおける若者の定義とは?

f:id:mayonakanoonara:20201001161737j:plain

今までたくさんのフランスにおける若者やユースワークについての記事を書いてきましたが、ここで1回立ち止まり「若者」とは一体何なのか?というのを考えたいと思います。今回は「フランスの若者」の定義を国の資料を基に漁ってみました。

 

若者は何歳?

若者といって一番判断しやすいのは、やはり年齢ではないでしょうか。私達はまだ、25歳以下ということで、若者のための支援を受けることができた時期もありました。

この記事にあるミッションローカルでは、16歳から25歳までを若者の対象として捉えサポートしています。しかしながらフランスでは、この年齢設定がすべてではないのが現状です。

フランスの国家としては、若者の年齢定義はなされていません。理由として挙げられているのは、人それぞれ若者の期間というのは異なるため、具体的な年齢制限をつけたがらないということです。若者の期間とは、一般的には子どもと大人の間、自立する前にある人のことを示しています。自立という観点に、経済的自立や発達的自立、市民的自立、精神的自立等さまざまな見方があり、それぞれが影響し合いながら近年は若者の年齢幅が広がりつつある現象にあります。特に経済的自立の観点から、若年齢での就職難が大きな課題であるが故に、強い影響をもたらしているといえます。

社会を調査している団体(INSEE、CREDOCなど)でその影響が見られ、現在では16~29歳が一般的に使われています。調査団体、組織により15~24歳や16~25歳、16~35歳などなど、若者の年齢設定が異なることを国家は課題と認識し、近年は16歳~25歳で統一しようという流れもあるが、実現には至っていません。

ちなみに私達の活動するEJNでは、13歳以上の若者が参加対象となっています。EJNのあるロレーヌ地方では、一般的に15~29歳とされているのでそこにも差があります。このようにフランスにおいて若者を年齢で区別することは難しそうです。

EJNの様子はこちら↓

結局のところ若者とは、、若者と自立

若者は大人と子どもの間ということは、大人と子どもは何が違うのかという問いに対して、キーワードとなるのは自立という言葉になりそうです。先ほど挙げたように、自立にも様々な種類があり、それぞれに対応する形で行政や民間のサービスがフランスでも設定されています。その自立の段階を経て、若者は大人になると一般的には扱われるようです。

日本のように、成人式のような行事ごとや「卒業したらすぐ就職だ!」みたいな意識が薄いフランスでは、自立のタイミングや順番が人それぞれ異なるのが当然です。そこら辺がカオスであるからこそ、若者の年齢に基づく定義がしづらくなっています。

mayonakanoonara.hatenablog.com