世界のユースセンターを巡る旅人

世界を旅する日本人とフランス人の話。

バカンスは多くても幸せそうな人が少ないフランス。

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「休みが長かったら、きっと幸せなんだろう。。」

そんなこと思い浮かべたことはありませんか。フランスは休みが多い国の1つ。ちなみにバカンスという言葉は、フランス語です。

そんな場所にいる私たちは、休みは多いからといって幸せそうな人が多いわけではないと感じています。「バカンス=幸福度」では無いような気がするのです。私たちがそう感じるのは一体なぜでしょう。

今回はそんなフランスを事例に、バカンスの長さと幸福度の関係についてサクッと考えていきたいと思います。

 

 

バカンスと幸福度ランキング

フランスでは1年に、30日間の有給休暇を取得することができます。そして有給休暇の取得率は100%。*1法律では最低2週間の有給休暇を取らないといけないと定められています。このようにフランスでは有給休暇は全て取って当たり前。

 ですが、

世界幸福度ランキング*2によると、フランスは24位。(ちなみに日本は58位)。バカンスの量はトップレベルであっても、ヨーロッパ諸国の中では特別に幸福度が高いわけではありません。

私たちもこの結果同様、フランス人が特別に幸福度が高いようには感じていません。

ちなみに有給休暇30日、そして全て取るのが当たり前の社会とフランスを紹介してきましたが、64%のフランス人は休み不足と感じています。半数以上のフランス人が休みをもっと欲しいています。

バカンスが幸せを邪魔する? 

フランス人の多くが、バカンス後に気分が下がるという研究があります。*3

フランスではバカンスは旅行に行くのが一般的です。そんな人達がバカンス後に感じることには、一定の決まりがあるようです。

➀旅行の帰りはめんどくさい・・・電車や飛行機などの、長い帰り道を面倒に感じる。決まった時間に電車が来ないことも多く、交通機関によってストレスを受けやすい。

②お金が、、・・・帰った後、銀行の預金を見るとショックをうける。フランスは特にバカンスに人達がお金を使うことで観光事業が回っている。

③仕事に戻る・・・「仕事=やだ」という感覚が強い。バカンスは仕事を忘れられるという理由で、人々が特に好む。バカンス期に、携帯の電源を落とす人もいる。

④行き先について・・・「行き先はよかったのか?」って考えてしまう。もっと良い場所・安く楽しめる場所があったんじゃないかと反省する。

⑤悪いかったことを思い出す・・・特に子供がいる家族では、旅行中の喧嘩のことばかり思い出すことが多い。

⑥次のバカンスを考える・・・バカンスは終わったばかり。次のバカンスがとても遠いことに気を重くする。

このように、バカンスと普段の生活の差に悩まされる人が少なくありません。バカンス前、人達はみんなわくわくしているのですが、バカンスは終わりあるものなのです。

バカンスとディズニー

私たちが感じたのはフランスのバカンスは、日本人一般におけるディズニーリゾートに行くことのようなものなのかなぁと。帰りの電車・車の混雑、高いグッツや食事で飛んでいくお金、ディズニー次の日には仕事や学校、などなど。バカンスの後も、ディズニーの後も似た状況ではないでしょうか。

ただフランスのバカンスとディズニーが違うのは、日数と参加率。フランス人は30日で100%が有給休暇をとります。ここに、休みの継続時間に差があるように思います。

バカンスやディズニーを「理想」、仕事や学校をしながらの生活を「現実」と言い換えるならば、その差で悩むことは想像しやすいです。特に「現実」での幸福度が低ければ低いほど、「理想」との差はどんどん開いていきます。この差を埋めるためには、人達は「理想」のレベルを下げるか、「現実」のレベルを押し上げていくしかないのかも知れません。

バカンス社会フランス

フランスでは「現実」いわゆる「普段の生活」、もしくは「理想」いわゆる「バカンス」の捉え方のどちらか、もしくは両方に何かがあるからこそ、幸福度がそこまで高くならないのではないかと感じています。ただ、バカンスが生きがいとなった今、普段の生活の生きがいレベルを押し上げていく方が近道でなのではないでしょうか。

仕事をしながらの「普段の生活」そこが充実すれば、フランス人の幸福度は上がっていくのかも知れません。

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