国が違えば文化も違う!
そんな感じでフランスの小学校も日本とは異なるところがたくさんあります。今回は両方の小学校を見た国際カップルが、フランスの小学校について日本語でまとめました。
基本情報
フランスの小学校は6歳から11歳まで、つまり5年間です。学校に行くことは国家によって義務づけられています。
・1年生はCP(cours préparatoire)準備コース
・2年生と3年生はCE1とCE2(cours élémentaire)初級コース
・4年生と5年生はCM1とCM2(cours moyens)中級コース
コース違いの詳細は後ほど出てきます。
学校開始は、8月31日から9月5日の間です。細かくは学校によって異なります。
学年の終わりは、7月最初の週です。
公立の小学校は無料。
公立校は無宗教です。そのため、宗教を信じているサイン(例えば、スカーフ、キリスト教のネックレスなど)は禁止です。
私立の小学校はお金がかり、宗教と関係があることが多いみたいです。1年間366€~650€の間です。小学生の15%が私立小学校に通っています。
スケジュール
国家が決めたルールによると、小学校の授業は1週間に24時間。(日本は24~28時間。学年で異なる)それを1年間を通して36週間行います。学年による授業数の差はありません。
半日に3時間半以内、1日の合計授業時間は5時間半以上でカリキュラムが組まれます。そして1日に休憩時間は、最低1時間半あります。
1日の大まかな流れは学校単位で決めるため、学校によって異なります。
1つの学校の事例を紹介します
・月、火、木、金曜日
学校は午前中8時半に始まり11時半から昼休憩になります。その間に休憩が10時から15分間程あります。
そして午後は13時45分から16時までです。午後は14時半から14時45分の間が休憩時間です。
・水または土曜日
午前8時半から11時半まで午前中のみの授業があります。
1日学校の日は、昼休憩が2時間以上あります。昼休憩の時に、子供たちには2つオプションがあります。
➀食堂に行く/span>
食堂はお金がかかります。地域によりますが、1年間(144食)で373€が平均的です。1食2.59€ぐらいだそうです。(人口が多い地域の方が高くなる)みたい)
生徒は年度初めに食堂に行く曜日をチェックして、その分のお金を払うというシステムです。
②自分の家に帰る
両親が迎えに来てくる、もしくはバスで家に帰ります。そして家で食事を取ります。
授業日の時代変遷
1969年前:月、火、水、金と土曜日
1969 - 1972:月、火、水、金と土曜日の午前
1972 - 2008:月、火、木、金と土曜日の午前
2008 - 2013:月、火、木と金曜日
2013年から(大体の小学校で):月、火、水曜日の午前、木と金曜日
学年とプログラム
CPからCE2
フランス語の書き方と読む授業:1週間に10時間
算数 :1週間に5時間
外国語、地域的な言語 :1年に54時間
スポーツ :1年に108時間
アート・音楽 :1年に72時間
歴史・地理、社会教育 :1年に90時間
・CPはフランス語のベーシックスや読み書き、会話の基本を習います。1~20までの数字を習います。
・CE1・2もCPと同じように、読み書きが中心です。特にフランス語文章の作り方、動詞の活用について学びます。
1~10000までの数字を習います。図形やcm、kg、€等も習います。
また、1つの他言語を習います。言語は地域にって異なりますが基本は英語です。例えばイタリアに近かったらイタリア語、ドイツに近かったらドイツ語といった感じで習う語学は異なります。
CM1とCM2
CPからCE2と総学習時間は変わりまりません。
異なるのことは、フランス語の授業が1週間で8時間になります。そしてそのほかに、科学とテクノロジーの授業が1年間に72時間入ってきます。
やはりここでもフランス語の読み書きが中心になります。算数では分数や、%を習います。そして歴史や地理が始まってきます。国家の社会や自分と他人についても学び始めます。(日本の道徳に少し似た感じ)
この時間を守りながら、先生はどのような順番で授業をしたいかを決めます。つまり先生は、自由に授業の順番を選ぶことができます。スポーツの授業以外の時間は、基本的に決まっておらず、時間割といったものはありません。
1人の先生が担当のクラスのほぼ全科目を教えます。
放課後
全ての小学校は毎日、子どもたちは街のスタッフや先生が管理している場所に行くことができます。そこでゲームや絵、音楽、スポーツなどができます。
1年間150~200€かかります。日本で言う学童のようなものです。
学校以外の団体が行っている場合もあります。ただ団体の方が割高になることが多いです。地域のMJCなども行っていたりします。
mayonakanoonara.hatenablog.com
年中行事
だいたいの小学校では、大きなイベントが年に4回あります。
➀journée portes ouvertes
来年度学校に入学するかも知れない人が、どのような学校かを見にくるためのイベントです。入場者は自由に教室などを見に行くことができます。
先生たちは、来客の質問に答えつつ、生徒たちが作ったものや習ったことなどを紹介します。また、学校の保護者はボランティアとしてケーキ等を作ったり、飲み物を提供したりします。
②クリスマスマーケット
先生は子どもたちと一緒にものを作り、学校のクリスマスマーケットで来客に売るか、両親にプレゼントします。作る物は何でも良く、クリスマスカードやショコラショキット、デコレーションなどが一般的です。そして、その売り上げは学校の資金になります。
ほかにも、子どもたちのコーラスや演劇などの発表会もあります。
保護者はボランティアで、ホットワインやクリスマスケーキなどを売ったりもします。他にも誰かがサンタクロースのコスプレをして、子どもと写真を撮るサービスなど、学校によって様々なアイデアがあります。
③カーニバルの祭り
フランスやドイツでカーニバルはとても大事なお祭りです。小学校では生徒がコスプレすることができ、お菓子の交換ができます。みんなが好きなコスチュームを着て、先生と一緒に廊下や他のクラスに遊びに行きます。
その後の授業はコスチュームのままでも受けられます。
➃1年の締めくくりのお祭り
6月の終わりあるこのお祭りは、夏休み前の最後の努力です。 子供や両親、地域の人も行くことができます。
Journée portes ouvertesのように保護者はボランティアで手伝います。
このときには、様々なアクティビティがあります
- 発表 :ダンス、音楽、コーラスなど。子供たちは、この日のために先生と練習したパフォーマンスを見せます。
- 出店 :化粧ができるスペースや釣り、エアー遊具(滑り台や城)、抽選会、ボードゲームなどがあります。
- バーと食べ物
・学校により他にも
”Cross“
このイベントは、日本のマラソン大会を優しくしたようなものです。全ての学校ではしていませんが、私の学校であったので紹介したいと思います。
小学生は学年ごとに中距離を走ります。学年によって5分から15分の間で走ったり、距離が決まっていたりします。例えば、CP: 600m, CE1: 800m, CE2: 1000m, CM1: 1200m, CM2: 1400m
私の学校では、最初の3人がメダルをもらえました。終わった後には、みんなでケーキやお菓子を食べます。
小学校でのスポーツ大会はこれしかありません。
校外学習
1年に2~3回あります。あるいは長い旅行(泊まり込み)を1回して、もう1回、日帰りの校外学習をします。先生や学校がどこに行くか決めます。勉強と関係あるので、参加必須で無料です。
生徒30人までに、大人が最低2人必要です。30人を超えた場合、もう1人大人が必要になります。(基本的に子供15人に大人1人)
学校の近くで半日以下、歩いて行く旅行であれば先生1人でもできます。
その他フランスの小学校豆知識。
・朝の会や帰りの会、掃除、給食の配膳、授業前の起立しての挨拶、健康チェックなどはありません。
・生徒の中で係などの仕事も存在しません。生徒は学校に来たら友達に会って、授業を受けて帰ることだけです。
・決まった時間割はありません。先生が自分でスケジュールを立てます。
・日本のようなノコギリなど危険なものを扱う授業はありません。料理の授業もない。
・学校はバスや車で行くのが一般的。
・決まった鞄がない。
・アクセサリー(無宗教なら)使用可
・2013年、小学校教師の82%は女性です。(私立は91%)女性の方が子供の世話をしたい人が多いんだそうです。また、文系の授業が多いため、女性の方が向いているという意見もあります。
・地域の小学校ごとに休みをずらす。同日の休みによる道の混雑を避けるため。
まとめ
いかがだったでしょうか?。日本と比べて「違うぞ!」というところがあったかと思います。どっちが良いか悪いか単純には決められませんが、このような事例もあるということに耳を傾けてみても良いかもしれません。
mayonakanoonara.hatenablog.com
*参照記事
・http://www.reussiravecnathan.com/les-programmes-scolaires/reforme-grandes-lignes
・https://www.europe1.fr/societe/combien-coute-lenseignement-prive-2863702