世界のユースセンターを巡る旅人

世界を旅する日本人とフランス人の話。

フランス中高生飲酒の実態

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未成年の飲酒は日本同様、フランスでも禁止されていることの1つ。以前、フランスの中高生のタバコ事情についてまとめましたが、今回は飲酒について調べてみました。

ちなみに、日本の中高生の飲酒については、厚生労働省の調査によると年を得るごとにパーセンテージの減少傾向が進んでいるようです。1996年には半数以上が、月に1回はお酒を飲むと回答していたものの、2008年にはその数字はだいたい半分になり、20%台となっています。*1

果たして、フランスはどのくらいの中高生が飲酒をしているのでしょうか?

 

グラフで見る飲酒者の数

 

 2014年、17歳の飲酒者に着いてのグラフです。左から、説明していきます。

緑の89%・・・1回でも飲んだことのある人

赤の72%・・・1ヶ月に最低1回以上飲酒する人

黄の12%・・・1ヶ月に最低10回以上飲酒する人

青の1.8%・・・毎日お酒を飲んでいる人

このグラフと日本の実態を比較してみると、1ヶ月に最低1回、飲酒する人の数は日本の3倍以上ということになります。かなりの数ですよね。

時代的に見る飲酒量と飲酒に対しての認識

先ほどのグラフにある、黄色の1ヶ月に最低10回以上お酒を飲む人の割合が、過去にはもう少し少ない時期もありました。2000年は2014年とほとんど同じ、11%。その数が2003年になると14%と増え、2008年には8.9%まで落ち込みます。2014年は12%なので、飲酒者のパーセンテージは10%前後で上下動していることが分かります。

中高生はアルコールを飲むことが、大人への一歩だと思い、「かっこいい」ことだという認識が少なからずあるようです。このことはタバコについて調べたときにも同じことが言えました。

タバコ同様、友達が飲酒するかどうかに大きく影響します。ある調査では友達にたくさん飲酒する人がいると、飲酒を始めるリスクは16倍に跳ね上がるといわれています。環境が飲酒させているのです。

アルコール類の入手方法

なぜここまでも飲酒量は下がることもなく、一定の数字を保っているのか。そこにはお酒を手にいれるのが比較的容易という背景がありそうです。

実際、バーでしっかりと年齢を確認しているかどうかは曖昧なところもあり、大人っぽい高校生がアルコール類を頼んだら貰える可能性はあります。スーパーでもバーと同様に、年齢の確認をするかしないかは定員によって差があります。

また昨今、スーパーでお酒を買って家で飲酒する人が増え、バーは減少傾向にあります。

家には、親が買ったたくさんのお酒のストックがあり、簡単に手に入れることができます。(フランス人は特にお酒を大量にストックしている人が多い。)また、親世代も子供のときお酒を飲んで育ってきたため、自分の子供がお酒を手にすることに対して違和感を持たない親はたくさんいます。

環境が許す飲酒

以上のことから見て、法的には未成年の飲酒は禁止されているものの、身の回りの生活環境的には飲酒に対して制約を受けない状況があります。よって、中高生の飲酒の数は減ることなく推移している現状があるようです。