神戸にあるオーストリアンハウスで食べたあの日から、忘れることの出来なかったインペリアル・トルテ。いつか、本場ウィーンでその味を楽しむんだと誓い早7年。ようやく念願叶ったので紹介します~
インペリアル・トルテ物語
インペリアル・トルテを扱うホテルは、もともと1863年にヴュルテンベルク公爵のウィーンの邸宅として作られたものです。1873年に開催されたウィーン万国博覧会で、ホテル・インペリアルに改築されました。今も尚、19世紀の雰囲気を楽しめる内装になっています。
そんなホテルにある、インペリアル・トルテとはいったいどのようなものなのかというと、、、
ホテル・インペリアルの厨房で働く若者、スカリオン、グザヴィエ・ロイブナーは1873年4月28日の夜、長い間眠れずにいた。
なぜなら、翌日に豪華なホテル・インペリアルをオープンする皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のために、完璧なケーキを焼こうと考えたからであった。
他の菓子職人には真似できないようなケーキを作りたい。
しかし、キッチン用品を使うことは許されない。
勇気を出して、最初につくった四角いケーキは、その形から他のケーキとは一線を画していた。
翌日、皇帝はこのケーキを食べて大喜びし、このケーキだけしか食べないと言った。
この出来事から、「極上のケーキ」が誕生した。*1
インペリアル・トルテのレシピにはこんなストーリーがあり、今も尚、レシピは門外不出なのだとか。
ここでインペリアル・トルテの美しい世界へどうぞ。
カフェでインペリアル・トルテをたしなむには、、
インペリアル・ホテルの1階にはカフェがあり、宿泊していない人でもカフェで食事やコーヒーを楽しむことができます。ホテル脇にあるカフェ専用入り口を入ると受付があるので、そこでスタッフに食事したい旨を伝えると席へと案内してくれます。私達は窓際にあるふかふかのソファー席をチョイス。平日の昼過ぎだとそこまで混んでいることもなく、周りにはリッチそうなご夫婦やご婦人グループがリッチな午後を楽しんでいるといった感じでした。
早速お目当てのインペリアル・トルテを注文したいわけですが、なんと現在、昔ながらのオリジナル盤のNo.1に加えて、No.2のダークチョコレートを使用したオレンジ味のもの、No.3のダークチョコレートを使用したフランボワーズ味のものがあります。ときよっては限定バージョンなんかもあるようです。
私たちは2人という利点を活かして、No.1とNo.2の2つを頂くことにしました。
正体がこちら
オリジナル盤No.1です。堂々たる佇まい。カフェで注文するとチョコレートコーティングされたカリカリアーモンドがついてきます。
中身はこんな感じ。フォークで切ったのできれいな断面ではないですが、ご了承ください。
6層にもなるマジパンとチョコレートのそうが均等に重なっています。ミルクチョコレートと甘すぎないマジパンの融合。お互いの良さを1ミリも消すことなく、絶妙に重なり合うことで相乗効果を生み出しています。また上にのるダークチョコレートが程よいアクセントとなり、ケーキにキレを与えます。やはり本場で歴史を感じながらまったり食べる、インペリアル・トルテはひと味ちがう気がします。
こちらがNo.2。No.1と比べてダークな見た目になっております。そして脇にはオランジェットが添えられています。
こちら層になっているのは、オレンジ味のマジパンとコーヒー風味のチョコクリームとなっています。その層をダークチョコレートでコーティングしたということで、No.1と比べると甘さ控えめです。オレンジの爽快な軽さの奧に、コーヒーの深い香りを響くように感じられる一品。No.1同様に絶妙なバランスによって、全ての素材の良さが表現されています。
いやこれは美味しい。値段はそこそこ高めですが、雰囲気とサービス含め大満足です。
お土産やオンラインも
ゆっくりと堪能したのち、やはりNo.3のフランボワーズを食べてみたいという欲望と、友達にお土産を頼まれていたという言い訳もあり、4種類が入ったセットをお土産として購入することにしました。こちらホールスタッフに伝えれば席で購入することもできますし、受付辺りのショーケースで選ぶこともできます。
オンラインでの購入は公式のオンラインショップからできます。日本にあるサービスとしては、神戸にあるオランダ館のサイトから購入できるかも?しれません。
ウィーンに行ったら最高の、、、
ここからはとてもとても個人的な意見ではありますが、、、オーストリアといえば有名なザッハトルテ、そちらもホテルカフェで確かに頂きました。ですが、今回紹介したインペリアルトルテのほうが圧倒的に幸福度が高かったです。ザッハトルテのほうについて、無糖の生クリームとのマッチングで、かなり糖度の高いケーキの味が活かされると、、、言いたいことはわかるのですが、やはりコーティングのチョコもダークのように見えてかなり甘い。私たちは水とココアで挑んだのですが、恐らく午後にダークコーヒーやお茶を楽しみながら一緒に食べるほうが良いのかもしれません。
それに比べインペリアル・トルテは、完成された味のケーキ単体で充分に楽しむことができます。さらに冷たい接客が多い街で有名なウィーンですが、カフェのホールスタッフの方々は大変優しく丁寧で、心から落ち着くことができる空間になってます。もしウィーンに行く機会があれば、午後のひとときをホテルインペリアルにあるカフェで過ごしてみては如何でしょうか。