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世界を旅する日本人とフランス人の話。

愛の国フランス|結婚する人が減り離婚率が約50%と上昇

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フランスは「愛の国」というイメージの方もいらっしゃるかも知れません。そんなフランスは現在、結婚する人が減っていきながらも、離婚率がなんと約50%だとか。日本は35%ほどなので、かなり上回る数字です。今回はこの実態を調査してみます。

 

離婚を数字で見る

2016年22万6600組もの結婚の数が報告されました。その年に離婚した人の数は、12万8000組です。つまり、結婚した数より半分以上の数が毎年離婚している事が分かります。離婚した数は数字は2015年と比べると、1年で4400組増えています。

実は、2004年に離婚の手続きが改正されてから、離婚しやすい環境になりました。2004年以前に、離婚数は減少していましたが、法律が改正された翌年2005年に、たくさんのカップルが離婚するピークがありました。それからというもの、数値は少し落ち着いたものの、最近は徐々に増えている傾向にあります。

減少する結婚の組数

20歳から59歳の年齢の人は、結婚する組の94%を占めています。いま、この年齢に当てはまる人の結婚する数が減っています。

PACS(民事連帯契約)の制度が生まれた1999年から結婚の数は減少傾向にあります。2000年、結婚したカップルの数は、30万5000組でした。それから2017年、23万4000組までと、約7万組も減少しました。

いま、様々なカップルが「ただカップルだけでいい」という考えをもとに、結婚しない傾向にあります。結婚はただ付き合っているより制度的に面倒臭い部分があり、そのような判断をする人が増えているようです。

それに伴い、PACSの数は徐々に増えています。制度が始まった当初の2000年に、PACSしているカップルは1万6000組でした。それが2017年、18万6000にまで増加しました。ここ十数年で、人々の間でPACSは一般的になってきています。

なんで離婚は増えた

カップルの中で離婚を提案するのは、ほとんどが女性だそうです。その数は4分の3といわれています。女性が働き始めて、経済的にも独立できるようになった昨今、女性が離婚を提案しやすくなる環境ができたようです。

離婚の主な理由として、3分の1のケースが浮気です。次に多いのが、パートナーのわがままや愛が見られないなどの理由があげられています。基本的には、お互いのすれ違いで離婚する人が増えているようです。

ちなみに、金銭的理由(仕事がクビになった・借金があるなど、、)の理由で離婚する人の数は、10%程度とさほど多くはありません。基本的には、愛の問題で離婚している事が分かります。

結婚は形だけ?

若者とよく会う私達は、結婚は形だけっていうイメージをよく耳にします。そのために、そこまで結婚に対して欲がある感じを受けません。「結婚=家族ができる」という考え方では無くなってきています。お互いが好きで、愛があって、カップルでいるなら、別に結婚は必要ないという考え方からきているように思います。

このように今、フランスでは結婚の数が減少傾向にあります。ただそれは、カップルの数が減ったということでは無く、結婚に対しての考え方が変わったというのが大きな要因であると思われます。

参照:

La vérité sur le divorce en France : les statistiques

Mariages - Pacs - Divorces − Tableaux de l'économie française | Insee

Le nombre de mariages en France reste historiquement bas