私たちがストラスブールに訪れたとき、謎の生物が川を泳いでいるのを目撃しました。
ストラスブールの川にいた。
— たかゆき🇫🇷ワーホリ🌍 (@CacaoViva) December 7, 2019
これは誰ですか?
めっちゃかわいかったんですが、招待が分からず。誰? pic.twitter.com/yutWEHzJd8
Twitterで聞いてみた結果、正体が判明したのでさらに突き詰めていきたいと思います。
ヌートリアとは
ヌートリアは、ネズミ目(齧歯目)ヌートリア科に属する哺乳類の一種。
南アメリカを原産地とするが、毛皮を取るために移入したものが野生化し、北アメリカ、ヨーロッパ、日本を含むアジアに帰化して分布する。
頭胴長40-60 cm、尾長30-45 cm、体重5-9 kgの大型の齧歯類である。水辺の生活に適応しており、泳ぎが得意で5分以上潜水することもある。体つきはドブネズミなどに似るが、耳が小さく、後ろ足の第1指から第4指までには水かきがある。オレンジ色の大きな前歯も特徴的。
日本はフランスから輸入された歴史があり、西日本を中心に繁殖しています。
ストラスブールにいる理由
19世紀に南アメリカからヌートリアが輸入されました。ヌートリアの皮を服に使うためです。フランスに属しながらドイツにも近いストラスブールでは、戦争の頃にヌートリアの皮をたくさん生産し両国に販売していた歴史があります。
しかし飼育環境から逃げ出すヌートリアがでてきました。ヌートリアは南アメリカから来たのにもかかわらず、ヨーロッパの気候にすぐ慣れ大量繁殖していきました。ヌートリアの敵はもともとはワニ。天敵がいないストラスブールはヌートリアが大量繁殖するのに敵した地だったのです。
そんな逃げたヌートリア達の子孫がいま、ストラスブールの川を泳いでいるみたいです。
可愛すぎる。。
ストラスブールに住んでいるいろんな人が、かわいらしいヌートリアのことが大好きで、ストラスブール市民のペットみたいな存在になっています。そして、餌をあげてる人も多くいます。パンやアルザスの名物・プレッチェルも。。
ヌートリアは外来生物、その地の生態系を壊す可能性があるので法律的には駆除しなければなりません。農作物に被害を及ぼしたり、川岸にトンネルを掘る、水道管がかじられるなどの問題も出てきています。
しかし、ストラスブール市民が大好きなため殺すことができません。市民も環境もまもるためにヌートリアを殺さず、1つの地域だけで住まわせようというアイデアが出てきましたが、現実的になかなか厳しく、ヌートリアは野放しにされています。
最後は食べるしかないとまで。。。(ロシアでは食べられているんだそう。)
ストラスブールのホームページには、ヌートリアを初めとする野鳥なども含めて、彼らに餌をあげないでくださいと書かれています。「好きだったら動物を尊敬して遠くから見るだけにして、彼らの人生を邪魔しないでください。」と。
ヌートリアのせいでストラスブールの川は泳げない
ヌートリアの持つ細菌は、レプトスピラ症という感染症を引き起こします。(詳しくは→レプトスピラ症とは)尿で汚染された土壌や水から、人が感染することがあります。
かつてヌートリアが繁殖する以前は、ストラスブールの川で人はよく泳いでいました。しかしストラスブールの川にヌートリアが泳いでがいるために、人達は川に入ることができなくなり、今では川で泳ぐことが幻になってしまいました。
ヌートリアさん問題
可愛いから許されているといっても、特定外来生物は特定外来生物。でも可愛い。。ヌートリアに罪はありません。人間はまたしも問題を作ってしまったようです。
ストラスブールに行く際には、是非このヌートリアについてもチェックしてみてください。関心を向けることが、地球が良くなるための第一歩かも知れません。
合わせて読みたい
mayonakanoonara.hatenablog.com
参照
Nourrir les animaux en ville : non merci | Strasbourg.eu
A Strasbourg, des ragondins trop mignons pour être tués - Libération