世界のユースセンターを巡る旅人

世界を旅する日本人とフランス人の話。

カカオ農家の様子から考える、フランスの現状。

僕がこの記事を読んで真っ先に思ったのは、

「あれ、今、僕がいるフランスもあまり変わりなくない!?」

というのも、

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これは、いま僕がいる家の周りの風景である。

最初ここにきたときに感じたのは、「木がない」「山がない」「地球は広い」ということであった。

日本の田舎生まれだったため、自然に囲まれることには何も違和感はないはずだが、最初、ここにきたときは違和感が心の半分を占めた。「なんか、ここ、さみしいなぁ」「昔の本当の景色ってどんなだったんだろう?」

(因みにいまはこの風景にも慣れてしまった)

理由は確実に、木が少ないこと。それであったと思う。

 

僕の生まれ故郷は、同じようなちょっとした丘陵地であるが、丘の部分はほとんど木であった。谷には田園が広がっていたものの、ここまで広い敷地に、草しかない風景というのを目にしたのは初めてだった。

 

ここは丘の上に行っても、山は見れない。ちっちゃな町はあるけど、それ以上のものはない。

木がないからこそ、視界が良いものの、その先も木がない丘が広がっている。

そんな場所である。

 

実は、2010年の調査結果によると、日本の森林面積は69%なのに比べて、フランスは29%だと言われている。森林が圧倒的に日本より少ないことがわかる。

 

なぜ、こんなにも森が少ないのか。これには、耕作地確保やキリスト教の伝道など様々な説もありますが、今回はとりあえず置いておいて、、、

いま僕がいる地域について考えていきたいと思う。

先ほどの写真にあった、広大な敷地は、馬や牛のために使われいる。僕は良くピクニックをするのだが、馬や牛に必ずと行っていいほど出会う。

馬や牛、羊、ヤギなどは、ここら辺の人にとっては当たり前に見かける存在なのだ。

農道を歩くことができるが、雨の後や冬の時期はぐちゃぐちゃになっている。土はとても水はけが悪そう。。。帰ってくるといつも靴は土だらけ。

つまり、現在は放牧とか牧畜のために、この地域の広い土地は使われているのだ。

そのため、土に多くの栄養があるとは感じられない。牧畜の糞でだけで作られた土であり、そこに枯葉などは存在しない。

 

「ヨーロッパ人は自然も支配する」みたいなことも聞いたことあったが、まさしくその通りだと思った。以前、森に散歩しに行ったこともあったが、原生林とは言えないというのが実感だった。

木は程よい間隔で並び、小さな木は切られて、人が歩きやすい、森の中なのに遠くまで見渡せるそんな状態であった。僕の地元とは大違いであった。

また森の中の野生動物、ウサギやイノシシなども、ある冬に狩りが行われ、ある一定数を保つのだという。

良く言って、森は管理されている。悪く言って、「人が作った森」というのを感じた。

ある授業で、ロシア以外のヨーロッパの国で、「人が侵入したことのない森はない」というのを聞いたが、まさしくその通りだ。

自然は人によって管理される。「これって本当に自然なのだろうか?」

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フランスも元の自然を過去の人が破壊したならば、今の人が見直す必要があると感じる。

僕は、少し他人行儀で書かれている、アフリカのカカオ農家の記事について疑問を思ったのである。

フランスはどうだろうか? 状況は過去と現在の差があるだけで、あまり変わりないのではないだろうか?

イギリスでは、2010年頃から、植樹の動きが多く始まっているらしい。

ちなみにフランスでも植樹をしている団体もある。

www.reforestaction.com

いづれにせよ、人が作る森には変わりない状況になっている現状ではあるが、作らないよりは良いであろう。

他国について考えると同様に、自国の足元も見ていく必要があると感じたのが、僕の個人的見解である。