世界のユースセンターを巡る旅人

世界を旅する日本人とフランス人の話。

【フランス】デジタルユースワークの様子を解説

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私たちの通うユース&カルチャーセンターでは、2019年夏からバカンス限定のゲーム部屋やおしゃべりができる場ができました。ヨーロッパで注目を集めているデジタルユースワークの実践です。そこが一体どんなものなのか、写真たっぷりで紹介していきます。

 

基本情報

名称      :EJN(espace jeunesse numérique「若者デジタルの場」)

やっている日  :バカンスの月~金曜(参加者でいつするのかを決める。)・ときに平日(学校外の時間)

時間      :午後3時~8時

何ができる?  :ゲーム・お絵かき・雑談・映画見る・何か作る、その他たくさん。詳細は後ほど

登録できる年齢 :13歳~基本的には中高生

登録している若者:約30人(2019年現在)

スタッフ    :4人

部屋      :2部屋

設備      :パソコン・ディスプレイ・3Dプリンター・レーザーカッター・PS4・I pad・ペン・紙・段ボール、その他諸々。

料金      :25€/年 (約3000円)

ゲームし放題!

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部屋にあるパソコンやPS4を使ってゲームがし放題!リーグオブレジェンドやマインクラフト、スパイダーマンドラゴンボールファイターズなどのゲームが人気です。
1人で楽しむだけでなく、そこにいる人たちでオンライン対戦や協力なんかもしていて、みんなで楽しんでいる姿が多くあります。インターネット上での音だけ会話ではなくて、1つの部屋の中で顔を合わせて会話ができ、コミュニケーションの幅は広がっているように感じます。

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パソコンは数が限られているため、人数が多いときは交代しながら使っています。他にもできることはたくさんあるので、数に関してはこれといって大きな問題は起きません。

初めはゲームに惹かれてそれを目的でくる中高生が多数でしたが、来てから2.3日すると違う遊びの魅力が目に入り、最近ではパソコンが空いている時間もたくさんあります。

では他にどんなことをしているのかを紹介していきます。

3Dプリンター 

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パソコンの隣には3Dプリンターが常時置かれています。3Dプリンターを勉強したスタッフがいて、来ている人の作りたいものをサポートしてくれます。携帯置きやキーホルダー、ペン立て、インクいれなどなど、みんなが作っているものは様々です。

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ヘッドホンをかける場所を3Dプリンターをつかって中学生が作りました。

このように「この部屋にこれあったらいいな!」というものを作っていく中高生がたくさんいます。中高生が自分たちの使う部屋の環境を整えています。

レーザーカッター

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電動のカッターです。人が出来ないような細かい部分を切ったりすることが出来ます。また、このカッターの部分をペンに代えることも出来ます。最近はEJN のロゴTシャツをこの機械で作ろうとしています。

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絵を描く

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絵やマンガの書き方を学校で習ったスタッフもいて、絵のアドバイスなんかもうけることができます。

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紙に書くだけでなく、iPadやパソコンで絵を描くこともできます。細部まで細かく色づけすることができたり、前に戻ったりもできます。

絵に自信がない人はなかなか手を出しづらく、最初はあまり書いている人がいませんでしたが、徐々に誰かしらが使い始めるようになってきました。

その他諸々

映画鑑賞会

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映画鑑賞会の様子。たまにピザを頼んだりもします。MJCで払ってくれるためピザは無料!

最新技術にチャレンジ

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ときに、大学の教授や企業の人を招いて最新技術に触れるイベントを開催しています。写真は、ボトルのふたなどのプラスチックを溶かして、キーホルダーを作ったときのものです。リサイクルのリアルを学びました。ここで、中高生が実際にリサイクルに触れることで、ゴミの分別についての知識を深め、家族にも伝わるかも知れません。学びの伝導の起点にもなっています。

折り紙

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折り紙で部屋飾りをつくっています。写真はハロウィーンのときのもの。絵を描くのが得意な人は、ペイントを頑張るなど、役割分担しながらかなり凝ったものをみんな作っていました。

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ここから折り紙がとても得意な人もでてきて、彼は花のイベントで折り紙の花を展示することにまで発展しました。すごい!!!

書道

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私たちの書道道具を貸し出し、みんなで書道チャレンジなんかもしています。興味がある若者も多く結構人気です。

だべる

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実はゲームをしてない人が一番していることはおしゃべり。おしゃべりしながら絵をかいたり、トランプ、ボードゲームなんかをしたりしています。部屋が静かな時間はありません。

会議

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年に数回はイベントに出張することがあるため、そのための会議が開かれることもあります。ここにはMJCの社長などの大人も参加するのですが、そこに混ざって中高生も積極的に発言したいます。

年齢層・どんな若者が来ている?

登録人数は約30人。中学生が6割、高校生が4割くらいです。男女比は半々くらい。長いバカンスの暇な時間にきているといった感じです。人それぞれ家族旅行などもあるので、全員が揃うということはありません。なので人数は多いときでも15人程度です。

まだ始まったばかりで、体験で見に来る中高生もたくさんいます。だいたい友達なしで1人で参加する人が多いのが印象的です。普段はパリの高校に通っていて、休みに田舎に戻るタイミングできている若者もいます。

ゲームやマンガが大好きな中高生がほとんどです。結構シャイでもの静かな子が集まっている感じがします。みんなそれぞれ個性が強くて、趣味に関しての知識がすごい!(私たちはそこにいって、いろんなことを教えて貰っています。)

ルールは特になし

ここでのルールは特にありません。特にルールがないことがルールみたいになっています。物事をするときは、スタッフの人は中高生との信頼にまかせています。ただ隣の部屋が使っている場合もあるので、騒ぎすぎないことだけ注意しています。

スタッフは両親や先生ではありません。お互いが尊敬することを大事にしています。

スタッフの仕事

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スタッフは30歳前後の人が2人と、私たちなので若者しかいないといった状況です。

スタッフは、アドバイサーや大人とのつなぎ役のような感じです。中高生がわからなことがあったら教えてあげたり、必要なものがあったらMJCの本部と話し合う。そのようなことをしています。

することのほとんどは、中高生とのおしゃべりやゲームです。おしゃべりでは一緒に意見交換したり、ゲームの話をしたりしています。おしゃべりの内容も多岐にわたっています。

街を綺麗にプロジェクト

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ここに来る若者達で「街に落ちるゴミがもっと減るようにするためにはどうしたらよいか。」という課題を考えてくれないかと、このユース&カルチャーセンターがある街から依頼されました。

中高生の中で興味がある人は、空いている時間にこのことに対して議論をし、解決策を探しています。最終的には街役場に意見を伝え発表に行くことになるそうです。

遊びのできる居心地の良い学べる場所

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3Dプリンターを学んでいる中学生

自分の趣味を続けながら人と関わり、新しいことにもチャレンジできるような場所になっています。情報交換やおしゃべりもできて、中高生は居心地がよさそうです。またそこでいろんな人と話すことからたくさんの学びもできます。

私たちもたくさんのことを学んでいます。中高生のときこういう場所ほしかったな~.なんて思える場所です。

 

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